まぬ》けり、「何卒我が過去の罪は梅子さん、お赦《ゆる》し下ださい」
梅子は面《かほ》を揚《あ》げぬ「松島さん、貴所《あなた》は必ず女性《をんな》の貞節を重んじて下ださいませうネ」
松島は訝《いぶか》しげに梅子を見ぬ「――、其れは勿論《もちろん》です――」
「松島さん、感謝致します――私には既に誓つた良人《をつと》があるので御座いますから――」
梅子の頬は珊瑚《さんご》の如く紅《あか》く輝きぬ、
二十一の五
「何ですツ」松島の血相は忽《たちま》ち変はれり「良人があると」
「ハイ」梅子も厳然として松島を睨《にら》み返へせり、
「フム其りや始めて承はる」と、松島は満面|軽蔑《けいべつ》の気を溢《あふ》らしつ「何時《いつ》結婚なされた」
「否《いえ》、結婚は致しませぬ」
「然《しか》らば、何時《いつ》約束なされた」
「約束も致しませぬ」
「然《さ》らば御尋ね致すが、御両親も承諾されたのか」
梅子はホヽ笑みぬ「親の権力も子の意思に関渉することの出来ないのは、貴所《あなた》、只今御説明なされたでは御座いませぬか」
グツト詰まりし松島は、ヤガて冷笑一番「ウム婦人の口から野合《
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