《どんな》に御似合ひ遊ばすか知れませんよ――梅ちやん、貴嬢《あなた》も嬉しくて居《いら》つしやいませう」と、酔顔斜めに梅子を窺《うかが》ひ、徳利《てうし》取り上げて松島に酌《つ》がんとせしが「あら、冷えて仕舞《しま》つたんですよ」と、ニヤり松島と顔見合はせ、其儀《そのまゝ》スイと立つて行きぬ、微動だもせで正座し居たる梅子、今まお熊さへ出で行くと見るより、直《ただち》に立つて後を追はんとするを、松島、忽如《こつじよ》猿臂《えんぴ》を伸ばして袂《たもと》を捉《とら》へつ、「梅子さん」
「何遊ばすツ」振り回《かへ》りたる梅子の面《かほ》は憤怒の色に燃えぬ、
 グイと引きたる男の力に、梅子の袂《たもと》ピリヽ破れつ、

     二十一の四

「何あそばすツ」
 と再び振り向く梅子を、力まかせに松島は引き据《す》ゑつ、憤怒の色、眉宇《びう》に閃めきしが忽《たちまち》にして強《しひ》て面《おもて》を和《やは》らげ、
「梅子さん、貴嬢《あなた》、余り残酷ではありませぬか、成程《なるほど》今夜の始末、定めて御立腹でもありませうが、少しは御推察をも願ひたい――私の切情は、梅子さん、疾《と》く御諒承下だ
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