《かく》、調査委員を選《えらん》で公然之を審判すると云ふことにして散会したさうですが――聞く所に依れば、先生も咋夜は真ツ青になつて、一言の弁解も無つたさうです、僕は斯《か》かる不祥を聴かねばならぬことを、我が耳の為めに悲むです――」彼は面《かほ》を掩《おほ》うて歔欷《きよき》したり、
一同|瞑目《めいもく》せり、拱手《きようしゆ》せり、沈思せり、疑団の雲霧は漸《やうや》く彼等の心胸《しんきよう》に往来し初《そ》めけるなり、
階子《はしご》に足音聞こゆ、疑ふべくもあらぬ篠田の其れなり、彼は今ま此の疑雲猜霧《ぎうんさいむ》の裡《うち》に一歩一歩静に足を進めつゝあるなり、
皆な眸《ひとみ》を扉に集めぬ、
扉は開かれぬ、
篠田は入り来りぬ、
一同期せずして一歩遠ざかりつ、唇を結べるまゝ冷《ひや》やかに目礼せり、
* * *
翌朝の都下新聞紙には左の如き同一の記事を掲げられぬ、何人が通信したりけん、
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●社会党と露犬 同胞新聞主筆篠田長二が、外に清貧を仮装しつゝ、内実|奢侈放逸《しやしはういつ》に耽《ふけ》れることは其筋に於《お
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