会観』と云《いふ》のでしてネ、地上に建つべき天国に就《つい》て、基督の理想を御述べになつたのです、今の社会の組織は全く基督の主義と反対の、利己主義を原則とするので、之を根本から破壊して新時代を造るのが、基督教の目的だと仰《おつ》しやるのです――初め私は、現在の社会の罪悪を攻撃なさる議論の余り恐ろしいので、殆《ほとん》ど身体《からだ》が戦慄《ふる》へる様でしたがネ、基督の平和、博愛、犠牲の御精神を、火焔《ほのほ》の様な雄弁でお演《の》べなすつた時には、何故《なにゆえ》とも知らず聴衆《きゝて》の多くは涙に暮れて、二時間|許《ばかり》の説教が終つた時には、満場|只《た》だ酔へる如き有様でした、――彼《あ》の時の説教は私「今でも音楽の如く耳に残つて居ますの――其晩は私、一睡もせずに考へましたの、そして基督の十字架の意味が始めて心の奥に理解された様に思はれましてネ、嬉しいとも、勇ましいとも訳《わか》らずに、心がゾク/\躍《をど》り立つて、思ふさま有りたけの涙を流したんですよ、インスピレーションと云ふのは、彼様《あゝ》した状態《さま》を言ふのぢやないか知らと思ひますの、其れからと云ふもの、昨日迄の
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