ら直接に聴かなければ安心が出来ないんですもの」
「銀子さん、貴女まで其様《そんな》風評を御信用下ださるんですか――」涙ハラ/\と膝に落ちぬ、
銀子は梅子の手を握れり「梅子さん、貴嬢は私が、其様《そんな》風評を信用するものと御疑ひ下ださいますの――」
梅子は握られし銀子の手を一ときは力を籠《こ》めて握り返へしつ「否《いゝえ》、銀子さん、私は学校《こゝ》に居た時と少しも変らず、貴嬢を真実の姉と懐《おも》つて居るんです」
「梅子さん、有難う――何《ど》うしたわけか、初めて入学した時から貴嬢とは心が会つて、私が一つ年上ばかりに貴嬢の姉と呼ばれる様になつたことは、何程嬉しいとも知れないのです、道時が何か私の非難など致します時には、併《し》かし私の妹《いもと》に山木梅子と云ふ真の女丈夫《ぢよぢやうぶ》が在りますよと誇つて居るのです――丁度《ちやうど》昨年の十月頃でしたよ、外交問題が八釜敷《やかましく》なり掛けた頃と思ひますから――道時が晩餐《ばんさん》の時、冷笑《わら》ひながら、お前の御自慢の梅子さんも、到頭《たうとう》海軍の松島の所へ行くことになつたと言ひますからネ、私は断然之を打ち消したの
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