立て兼ぬる新後家《しんごけ》の伜《せがれ》なり、
クス/\笑ふものある中に篠田は首肯《うなづき》つ「丁度《ちやうど》其れと同じく、基督《キリスト》の御誕生日には私共《わたしども》一同、日本人ばかりでは無い、世界中の人が神様へ御礼を申し上げるのです、基督のことは今ま歌を歌ひなされた、大和先生から段々御聞きなさい、私《わたし》が差当り一つ御話して置くのは、――貴所方《あなたがた》が忘れない様に聞いて置《おい》て頂きたいのは、――二千年|昔時《むかし》にお生れになつた外国人の基督が、何時までも/\世界中の人に、誕生日を祝つて貰ふと云ふ不思議な理由《わけ》です、基督と云ふお方は極々《ごく/\》貧乏な家《うち》へお生れになつたのです、此の壁に懸《か》けてある画にある様に、旅の宿屋の馬小屋で馬の秣桶《かひばをけ》を、臥床《ねどこ》になされたのです、阿父《おとうさん》は貧しき大工で、基督も矢張り大工をなされたのです――能《よ》く御聴きなさい、貧乏と云ふことは左《さ》まで耻かしいことではありません、私も貴所方《あなたがた》も皆《みん》な汚穢《きたない》着物でせう、私も貴所方も皆な貧乏人です、けれど、
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