て下ださい、――一体僕の家は何で食つて居るんです、何で此様《こんな》贅沢《ぜいたく》が出来るんです、地代と利子と、賭博《ばくち》と泥棒とぢやありませんか――否《い》や、姉さん、少しも酷《ひど》い言ひ分ぢやありません、正直《ほんたう》のことです、――実直に働いてるものは家もなく食物もなく、監獄へ往つたり、餓死したり、鉄道往生したりして、利己主義の悪人が其の血を吸《すつ》て、栄耀栄華《ええうえいぐわ》をするとは何事です――父さんは九州炭山の大株主で重役だと云ふので、威張《ゐばつ》て居なさる、僕等は其の利益で斯《か》く安泰に生活して居るけれど、僕等を斯く安泰ならしめてる彼《か》の炭山坑夫の状態は何《ど》うです、――現に父さんでさへ、彼等を熊の如き有様だと言うて居なさるぢやありませんか、然《し》かし彼等は熊ぢやありません、人間です、同胞兄弟です、僕は彼《あ》の暖炉《ストーブ》に燃え盛る火焔《くわえん》を見て、無告の坑夫等の愁訴する、怨恨《ゑんこん》の舌では無いかと幾度《いくたび》も驚ろくのです、僕は今朝『同胞新聞』を見て実に胸を打たれたです――父さんは同胞新開を家《うち》へ入れることを禁じなさ
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