見せて
「他の点では父祖を恥ずかしめるような私でございますが、遺伝の蹴鞠の芸だけで後世へ名を残すことになりましたらそれで無事かもしれません」
と言った。
「何も悪くはない。どんなことでも人に出抜けたことは書いておいて後世へ伝うべきだから」
などと冗談《じょうだん》をお言いになる院の御様子の若々しくて、またお美しいのを衛門督は見て、自分は何によってこの方をおいて宮のお心を自分へ向けることができようと院と自身を比較してもみたが、何からも優越したものを見いだされないのをついに知り、衛門督は寂しい心になって六条院を退出した。大将も帰りを共にして衛門督と車中で話し合った。
「春の日の退屈を紛らわすのには六条院へ伺うのがいちばんよいことですね。また今日のようなひまの出来た時分、桜の散らぬ間にもう一度来るようにおっしゃっていましたから、春を惜しみがてらにこの月のうちにもう一度、その時は小弓をお供にお持たせになっていらっしゃい」
と大将は言うのであった。道の別れ目までこうして同車して行くのであったが、衛門督は女三《にょさん》の宮《みや》のお噂《うわさ》ばかりがしたくて、
「院は今でも平生のお住居
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