《すまい》は対のほうに決めていらっしゃるようですね。宮様はどんな気持ちでいられるだろう。朱雀《すざく》院様が御秘蔵になすった方が、第一の寵《ちょう》を他の夫人に譲って、しかも同じ家におられるかと思うとお気の毒ですね」
こんな無遠慮なことを言い出すと、
「そんな失礼なことを院はなさいませんよ。対の夫人は普通にお婚《めと》りになったのでなく、御自身でお育てになった方だという事実から、少し違った親しみがおありになるだけでしょう。宮様を何事の上にでも第一夫人として立てておられますよ」
と大将は否定した。
「そんなことはまあ言わないでお置きなさい。私は皆聞いて知っていますよ。とてもお気の毒な御様子でおられる時があるのだと言いますよ。光輝ある院の姫君がそれですよ。もったいない気のするのが当然じゃありませんか。
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いかなれば花に木《こ》伝ふ鶯《うぐひす》の桜を分きてねぐらとはせぬ
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春の鳥でいながらねえ。私には合点のいかないことですよ」
とも言う。穏当でないたとえをこの人はする、こんな乱暴なことを言うようになったのは、自分が想像したとおりに姫
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