に拝趨《はいすう》するなどということのあるべきでは無いから、増賀には俗僧どもの所為が尽《ことごと》く気に入らなかったのであろう。衛府の大官が立派な長剣を帯びたように、乾鮭《からさけ》の大きな奴を太刀《たち》の如くに腰に佩《お》び、裸同様のあさましい姿で、痩《や》せた牝牛《めうし》の上に乗《のり》跨《また》がり、えらそうな顔をして先駆の列に立って、都大路の諸人環視の中を堂々と打たせたから、群衆は呆れ、衆徒は驚いて、こは何事と増賀を引《ひき》退《さが》らせようとしたが、増賀は声を※[#「厂+萬」、第3水準1−14−84]《はげ》しくして、僧正の御車の前駈《さきがけ》、我をさしおいて誰が勤むべき、と怒鳴った。盛儀も何様《どう》も散々な打壊《ぶちこわ》しであった。こういう人だったから、或立派な家の法会があって、請われて其処へ趣く途中、是は名聞《みょうもん》のための法会である、名聞のためにすることは魔縁である、と思いついたので、遂に願主と※[#「てへん+劣」、第3水準1−84−77]《むし》りあい的|諍議《そうぎ》を仕出して終《しま》って、折角の法会を滅茶滅茶にして帰った。随分厄介といえば厄介な
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