、塔は何より地行《じぎょう》が大事、空風火水の四ツを受ける地盤の固めをあれにさせれば、火の玉鋭次が根性だけでも不動が台座の岩より堅く基礎《いしずえ》しかと据《す》えさすると諸肌《もろはだ》ぬいでしてくるるは必定《ひつじょう》、あれにもやがて紹介《ひきあわ》しょう、もうこうなった暁には源太が望みはただ一ツ、天晴《あっぱ》れ十兵衛汝がよくしでかしさえすりゃそれでよいのじゃ、ただただ塔さえよくできればそれに越した嬉しいことはない、かりそめにも百年千年末世に残って云わば我たちの弟子筋の奴らが眼にも入るものに、へまがあっては悲しかろうではないか、情ないではなかろうか、源太十兵衛時代にはこんなくだらぬ建物に泣いたり笑ったりしたそうなと云われる日には、なあ十兵衛、二人が舎利《しゃり》も魂魄《たましい》も粉灰《こばい》にされて消し飛ばさるるわ、拙《へた》な細工で世に出ぬは恥もかえって少ないが、遺したものを弟子めらに笑わる日には馬鹿|親父《おやじ》が息子に異見さるると同じく、親に異見を食う子より何段増して恥かしかろ、生き磔刑《はりつけ》より死んだ後塩漬の上磔刑になるような目にあってはならぬ、初めは我もこ
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