の暗《やみ》に消えた。
坊様《ぼんさま》、眉も綿頭巾《わたずきん》も、一緒くたに天を仰いで、長い顔で、きょとんとした。
「や、いささかお灸でしたね、きゃッ、きゃッ、」
と笑うて、技師はこれを機会《きっかけ》に、殷鑑《いんかん》遠からず、と少しく窘《すく》んで、浮足の靴ポカポカ、ばらばらと乱れた露店の暗い方を。……
さてここに、膃肭臍《おっとせい》を鬻《ひさ》ぐ一漢子《いっかんし》!
板のごとくに硬《こわ》い、黒の筒袖の長外套《なががいとう》を、痩《や》せた身体《からだ》に、爪尖《つまさき》まで引掛《ひっか》けて、耳のあたりに襟を立てた。帽子は被《かぶ》らず、頭髪《かみ》を蓬々《ぼうぼう》と抓《つか》み棄《す》てたが、目鼻立の凜々《りり》しい、頬は窶《やつ》れたが、屈強な壮佼《わかもの》。
渋色の逞《たくま》しき手に、赤錆《あかさび》ついた大出刃を不器用に引握《ひんにぎ》って、裸体《はだか》の婦《おんな》の胴中《どうなか》を切放して燻《いぶ》したような、赤肉と黒の皮と、ずたずたに、血筋を縢《かが》った中に、骨の薄く見える、やがて一抱《ひとかかえ》もあろう……頭と尾ごと、丸漬《ま
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