いけれど、人が来て頼むとねえ、何でも(厭だ。)とは言わないで、一々引受けるの。私ちゃんと伝授を知っているから、それを知らせて上げたいの、貴女が御病気で来られないんなら、小母さん、」
と隔てなく、小芳の膝に手を置いて、
「小母さんでも可《よ》うござんす。構わないで家《うち》へいらっしゃいよ。玄関の書生さんは婦《おんな》のお客様をじろじろ見るから極《きまり》が悪かったら遠慮は無いわ、ずんずん庭の方からいらっしゃい。
私がね、直ぐに二階へ連れてって、上げるわ。そうするとねえ、母様がお酒を出すでしょう。私がお酌をして酔わせてよ。アハアハ笑って、ブンと響くような大《おおき》な声を出したら、そしたらもう可いわ。
是非、主税さんを呼んで下さい。電報で――電報と云って頂戴、可くって。不可《いけな》いとか何とか、父さんがそう云ったら、膝をつかまえて離さないの。そして、お蔦さんが寂《さみ》しがって、こんなに煩らっていらっしゃると云って御覧なさい。あんなに可恐《こわ》らしくっても、あわれな話だと直《じ》きに泣くんですもの、きっと承知するわ。
そのかわり、主税さんが帰って来たら、日曜に遊びに行《ゆ》く
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