ろうと思って、私、心配ッたらなかってよ。」
「私たちが……」
「なぜでございますえ。」
と両方へ身を開いて、お妙を真中《まんなか》にして左右から、珍らしそうに顔を見ると、俯向《うつむ》きながら打微笑み、
「だって私は、ちっともお金子《かね》が無いんですもの。お茶屋へ行って、呼ばなくっては逢えないのじゃありませんか。」
お蔦がハッと吐息《といき》をつくと、小芳はわざと笑いながら、
「怪我にもそんな事があるもんですか。それに、お蔦さんも、もう堅気です。私が、何も……あの、もっとも、私に逢おうとおっしゃって下すったのではござんせんが、」
となぜか、怨めしそうな、しかも優《やさし》い目で瞻《みまも》って、
「私は何も、そんな者じゃありませんのに。」
「厭よ、小母さん、私両方とも写真で見て知っていてよ。」
と仇気《あどけ》なく、小芳の肩へ手を掛けて、前髪を推込むばかり、額をつけて顔を隠した。
二人目と目を見合せて、
「極《きまり》が悪い、お蔦さん。」
「姉さん、私は恥かしい。」
「もう……」
「ああ、」
思わず一所に同音に云った。
「写真なんか撮るまいよ、」――と。
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