娘《こ》をたしなめて、内の障子より清純《きれい》だというのに、卓子掛《てえぶるかけ》の上へ真新しいのをまた一枚敷いて、その上を撓《しな》った指で一のし伸して、
「お紅茶?」
「いや、酒です、燗を熱く。」
「分っていますわ。」
「それから、勿論食べます。」
「お無駄をなさらないでも。」
「食べますとも、空腹です。そこで、お任せ、という処だけれど、鳥を。」
「蒸焼にしましょう、よく、火を通して。」
 それまで御存じか、感謝を表して、一礼すると、もう居なくなる。
 すっと入交《いれかわ》ったのが、瞳《め》の大きい、色の白い、年の若い、あれは何と云うのか、引緊《ひきしま》ったスカートで、肩が膨《ふわ》りと胴が細って、腰の肉置《ししおき》、しかも、その豊《ゆたか》なのがりんりんとしている。
「私も築地で……先日は。」
 乳のふくらみを卓子《テエブル》に近く寄せて朗かに莞爾《にっこり》した。その装《よそおい》は四辺《あたり》を払って、泰西の物語に聞く、少年の騎士《ナイト》の爽《さわやか》に鎧《よろ》ったようだ。高靴の踵《かかと》の尖《とが》りを見ると、そのままポンと蹴《け》て、馬に騎《の》って、い
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