られざるや、古今敗亡のそれこそ、軌を一にする処である。
 が、途中まず無事に三橋まで引上げた。池の端となって見たがいい、時を得顔の梅柳が、行ったり来たり緋縮緬に、ゆうぜんに、白いものをちらちらと、人を悩す朝である。はたそれ、二階の欄干《てすり》、小窓などから、下界を覗《のぞ》いて――野郎めが、「ああ降ったる雪かな、あの二人のもの、簑《みの》を着れば景色になるのに。」――婦《おんな》めが、「なぜまた蜆《しじみ》を売らないだろう。」と置炬燵《おきごたつ》で、白魚鍋《しらおなべ》でも突《つつ》かれてみろ、畜生! 吹雪に倒るればといって、黒塀の描割《かきわり》の下が通れるものか。――そこで、どんどんから忍川の柵内へ、池のまわり、雪の原へ迷込んだ次第であったが。……

       二十四

「ありがたい、この、汁レルから湯気が立つ。」
 と、味噌椀の蓋を落して、かぶりついた糸七が、
「何だ、中味は芋※[#「くさかんむり/哽のつくり」、71−10]殻《いもがら》か、下手な飜訳みたいだね。」
「そういうなよ、漂母の餐《さん》だよ。婆やの里から来たんだよ。」
「それだから焼芋を主張したのに、ほぐして
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