「三度、三度、ここに居まして、ご飯のかわりに頂いたら、どんなにか嬉しいでしょう……」
 と、息をふくんだ頬を削って、ツと湧《わ》く涙に袖を当てると、いう事も、する事も、訳は知らず誘われて、糸七も身を絞ってほろほろと出る涙を、引振《ひっぷる》うように炉に目を外《そ》らした。
「喧嘩せまい、喧嘩せまい。何じゃ、この、孫めがまた……」
「――お祖母さん、芝居の話をしていたんです、それが悲しいもんですから。」
「それは、それは……嫁ごもの、芝居が何より好きでござったよ。たんと、ゆっくり話さっしゃい。……ほんにの、お蒲団もない。道中にも、寝床にも被《かぶ》るのなれど、よう払うてなと進ぜましょう。」
 祖母の立ったのを見ると斉《ひと》しく、糸七はぴったり手をついた。
「祖母《としより》の失言をあやまります。」
「勿体ない。私は嬉しゅう存じました。」
 と膝を退《しさ》って、礼を返して、
「辻町さん、では、失礼をいたします。」
 何しに来たこの女、何を泣いたこの女、なぜ泣かせたこの女、椎と青紫蘇の葉に懲りて、破毛布《やぶれげっと》に辟易《へきえき》したろう。
 黙って、糸七が挨拶すると、悄然《しょ
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