青いんだの、黄色いんだの、子供の狐の面を五つ見た時は、欄干越《てすりごし》に廂《ひさし》へ下った女の扱帯《しごき》が、真赤《まっか》な尻尾に見えたんです。
その女が、これも化けた一つの欺《て》で、俥《くるま》まで拵《こしら》えて、無事に帰してくれたんです。が、こちらが身震《みぶるい》をするにつけて、立替《たてかえ》の催促が烈《はげ》しく来ます。金子《かね》は為替《かわせ》で無理算段で返しましたが、はじめての客に帰りの俥まで達引《たてひ》いた以上、情夫《まぶ》――情夫(苦い顔して)が一度きり鼬《いたち》の道では、帳場はじめ、朋輩へ顔が立たぬ、今日来い、明日来い、それこそ日ぶみ、矢ぶみで。――もうこの頃では、押掛ける、引摺りに行く、連れて帰る、と決闘状《はたしじょう》。それが可恐《おそろし》さに、「女が来たら、俥が見えたら、」と、お滝といいます……あのお茶っぴいに、見張を頼んで、まさか、女郎、とはいえませんから、そこは附景気に、「嫁が来るんだ。遠くからでも見えたら頼むよ。」合点ものです。そいつが、今です、前刻《さっき》ですよ。そこから覗いて、「来たよ、花嫁。」……
一言で面くらって、あ
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