]《ハンケチ》を。
「私が、あの……」
 と、その半※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]を足へ寄せる。
 呆気《あっけ》に取られる。
「ね。」
「よして、よして下さい。罰が、罰が当る。」
「罰の当りますのは私の方です、私の方です。」
 切《せま》った声して、
「――牛込の料理屋へ、跣足《はだし》で雨の中をおいでなさいました。あの時にも、おみあしを洗って上げたかったんです。」
「何の事です、あれは先生の用で駆けつけたんです。」
「でも、それだって。」
「不可《いけな》い不可い、不可《いけ》ません。あなたの罰はともかくも、御両親の罰が当る――第一何の洒落《しゃれ》です。」
「洒落……」
 と引息に声が掠《かす》れて、志を払退《はらいの》けられたように、ひぞりもし拗《す》ねた状《さま》に、身を起してお京が立った。
 そこへ、お滝が飛込んで――
「あい、雑巾。あら、あら、二人とも気取ってる。バケツが引っくり返ってるじゃないの――テン、チン、嵯峨《さが》やおむろの花ざかり、浮気な蝶も色かせぐ、廓《くるわ》のものにつれられて、外めずらしき嵐山、ソレ覚えてか、きみさまの、袴も春の朧染《おぼろぞめ
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