かずと――塾では先生にお目には掛《かか》るが、月府、弁持、久須利、荷高の面々が列している。口留をされたほどだから話は出ずと。――結婚はいつだ、とその後、矢野に打撞《ぶつか》れば、「息子は世間を知らないよ、紳士、淑女の一生の婚礼だ、引きつけで対妓《あいかた》が極《きま》るように、そう手軽に行くものか、ははは。」と笑《わらい》の、何だか空虚《うつろ》さ。所帯気で緊《しま》ると、笑も理に落ちるかと思ったっけ。やがて、故郷、佐賀県の田舎の実家に、整理すべき事がある、といって、夏うち国に帰ったのが――まだ出て来ない。それについて、御縁女、相談に来《わ》せられたかな……
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糸七は蟇と踞み、
南瓜の葉がくれ、
尾花を透かして、
蜻蛉の目で、
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覗きながら、咄嗟《とっさ》に心《むね》で思ううちに、框《かまち》の障子の、そこに立ったお京の、あでやかに何だか寂しい姿が、褄さきが冷いように、畳をしとしと運ぶのが見えて、縁の敷居際で、すんなりと撓《しな》うばかり、浮腰の膝をついた。
同時に南瓜の葉が一面に波を打って、真黄色《まっきいろ》な鴎《かもめ》がぱっと立
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