なこ》が光っては、と跼《しゃが》むわ、首を伸ばすわで、幸いあいてる腰窓から窺《うかが》って、大丈夫。店前《みせさき》へ廻ると、「いい話がある、内証だ。」といきなり女房を茶の間へ連込むと、長火鉢の向うへ坐るか坐らないに、「達引《たてひ》けよや。」と身構えた。「ありませんわ。」極《きま》ってら。「そこだ。」というと、言合わせたように、両方から詰寄るのと、両提から鉄砲張《てっぽうばり》を、両人、ともに引抜くのとほとんど同時さ、「身体《からだ》から借りたいんだ。」「あれえ、」といったぜ。いやみな色気だ、袖屏風《そでびょうぶ》で倒れやがる、片膝はみ出させた、蹴出《けだ》しでね。「騒ぐな。」と言句《もんく》は凄《すご》いぜ、が、二人とも左右に遁《に》げてね、さて、身体から珊瑚《さんご》の五分珠《ごぶだま》という釵《かんざし》を借りたんだがね。……この方の催促は、またそれ亭主が妬《や》くといういやなものが搦《から》んでさ、髻《たぶさ》を掴《つか》んで、引きずって、火箸《ひばし》で打《ぶ》たれました、などと手紙を寄越す、田舎芝居の責場があるから。」
「いや、はや、どうも。いや、どうも。」
 屋根の雪が
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