じ時に、同じ祈《いのり》を掛けやはる。……
蛇も二筋落合うた。
案の定、その場から、思いが叶《かの》うた、お二人さん。
あすこのな、蛇屋に蛇は多けれど、貴方がたのこの二条《ふたすじ》ほど、験《げん》のあったは外にはないやろ。私かて、親はなし、稚《ちいさ》い時から勤《つとめ》をした、辛い事、悲しい事、口惜《くや》しい事、恋しい事、」
と懐手のまま、目を※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]《みは》って、
「死にたいほどの事もある。……何々の思《おもい》が遂げたいよって、貴方《あんた》二人に類似《あやか》りたさに、同じ蛇を預った。今少し、身に附けていたいよって、こうしておいておくれやす。
貴方、結ぶの神やないか。
けどな、思い詰めては、自分の手でも持ったもの。一度、願《ねがい》が叶うた上では、人の袂にあるのさえ、美津さん、婦《おんな》は、蛇は、可厭《いや》らしな!
よう貴女《あんた》、これを持つまで、多一さんを思やはった、婦《おんな》同士や、察せいでか。――袂にあったら、粗相して落すとならん。憂慮《きづかい》なやろさかい、私がこうするよって、大事ないえ。」
と袖の中にて
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