垂れたが、品《ひん》を崩して、お手玉持つよ、と若々しい、仇気《あどけ》ない風があった。
「何や、この二条《ふたすじ》の蛇が可恐い云うて?……両方とも、言合わせたように、貴方《あんた》二人が、自分たちで、心願掛けたものどっせ。
 餅屋の店で逢うた時、多一さん、貴方《あんた》はこの袋一つ持っていた。な、買うて来るついではあって、一夜《ひとよさ》祈《いのり》はあげたけれど、用の間が忙しゅうて、夜さり高津の蛇穴へ放しに行《ゆ》く隙《ひま》がない、頼まれて欲《ほし》い――云うて、美津さんに託《ことづ》きょう、とそれが用で顔見に行《ゆ》かはった云うたやないか。」

       二十四

「美津さんもまた、日が暮れたら、高津へ行て放す心やった云うて、自分でも一筋。同じ袋に入ったのが、二ツ、ちょんと、あの、猿の留木《とまりぎ》の下に揃えてあって、――その時、私に打明けて二人して言やはったは、つい一昨日《おととい》の晩方や。
 それもこれも、貴方《あんた》がた、芝居の事があってから、あんな奉公早う罷《や》めて、すぐにも夫婦になれるようにと、身体《からだ》は両方別れていて、言合せはせぬけれど、同じ日、同
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