、すらりと雪を束《つか》ねたのに、霧ながら木《こ》の葉に綾《あや》なす、虹《にじ》を取って、細く滑《なめら》かに美しく、肩に掛けて背に捌《さば》き、腰に流したようである。汀《みぎわ》は水を取廻わして、冷い若木の薄もみじ。
光線は白かった。
十六
その艶《えん》なのが、女《め》の童《わらわ》を従えた風で、奴《やっこ》と彳《たたず》む。……汀に寄って……流木《ながれぎ》めいた板が一枚、ぶくぶくと浮いて、苔塗《こけまみ》れに生簀《いけす》の蓋《ふた》のように見えるのがあった。日は水を劃《くぎ》って、その板の上ばかり、たとえば温かさを積重ねた心持にふわふわ当る。
それへ、ほかほかと甲《こうら》を干した、木《こ》の葉に交って青銭の散った状《さま》して、大小の亀は十《と》ウ二十、磧《かわら》の石の数々居た。中には軽石のごときが交って。――
いずれ一度は擒《とりこ》となって、供養にとて放された、が狭い池で、昔|売買《うりかい》をされたという黒奴《くろんぼ》の男女《なんにょ》を思出させる。島、海、沢、藪《やぶ》をかけた集り勢、これほどの数が込合ったら、月には波立ち、暗夜《やみ
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