中へ吐散らして、あはは、あはは、と面相の崩れるばかり、大口を開いて笑ったっけ。
(鉄砲|打《ぶ》て、戦争|押始《おっぱじ》めろ。大砲でも放さんかい、陰気な芝居や、馬鹿、)と云うと、また急に、険しい、苦い、尖《とが》った顔をして、じろりと多一を睨《にら》みつけた。
(何しとる、うむ、)と押潰《おしつぶ》すように云います。
(それでは、番頭さんに、その通り申聞けますでございます、)とまた立って、多一が歩行《ある》き出すと(こら!)と呼んで呼び留めた。
(丁稚々々《でっちでっち》、)と今度は云うのさ。」
聞く男衆は歎息した。
「難物ですなあ。」
十三
「それからの狂犬《やまいぬ》が、条理《すじ》違いの難題といっちゃ、聞いていられなかったぜ。
(汝《わり》ゃ、はいはいで、用を済まいた顔色《がんしょく》で、人間並に桟敷裏を足ばかりで立って行くが、帰ったら番頭に何と言うて返事さらすんや。何や! 払うな、と俺が吩咐《いいつ》けたからその通り申します、と申しますが、呆れるわい、これ、払うべき金子《かね》を払わいで、主人の一分が立つと思うか。(五百円や三百円、)と大《おおき》な声して
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