引担《ひっかつ》ぐような肱《ひじ》の上へ、妾の膝で頭を載せた。
(注げ! 馬鹿めが、)と猪口を叱って、茶碗で、苦い顔して、がぶがぶと掻喫《かっくら》う処へ、……色の白い、ちと纎弱《ひよわ》い、と云った柄さ。中脊の若いのが、縞《しま》の羽織で、廊下をちょこちょこと来て、ト手をちゃんと支《つ》いた。
(何や、)と一ツ突慳貪《つッけんどん》に云って睨《にら》みつけたが、低声《こごえ》で、若いのが何か口上を云うのを、フーフーと鼻で呼吸《いき》をしながら、目を瞑《ねむ》って、真仰向けに聞いたもんです。
(旦那の、)旦那と云うんだ。(旦那のここに居るのがどないして知れた、何や、)とまた怒鳴って、(判然《はっきり》ぬかしおれ。何や? 番頭が……ふ、ふ、ふ、ふん、)と嘲《あざ》けるような、あの、凄《すご》い笑顔《わらいがお》。やがて、苦々しそうに、そして切なそうに、眉を顰《しか》めて、唇を引結《ひんむす》ぶと、グウグウとまた鼾《いびき》を掻出す。
 いや、しばらく起きない。
 若手代は、膝へ手を支《つ》いたなり、中腰でね、こう困ったらしく俯向《うつむ》いたッきり。女連は、芝居に身が入《い》って言《こと
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