ものだ。それでもよく紛失するが、畳の目にこぼれた針は、奈落へ落ちて地獄の山の草に生える。で、餓鬼が突刺される。その供養のために、毎年六月の一日は、氷室《ひむろ》の朔日《ついたち》と云って、少《わか》い娘が娘同士、自分で小鍋立《こなべだ》ての飯《まま》ごとをして、客にも呼ばれ、呼びもしたものだに、あのギラギラした小刀《ナイフ》が、縁の下か、天井か、承塵《なげし》の途中か、在所《ありどころ》が知れぬ、とあっては済まぬ。これだけは夜一夜《よっぴて》さがせ、と中に居た、酒のみの年寄が苦り切ったので、総立ちになりました。
これは、私だって気味が悪かったんです。」
僧はただ目で応《こた》え、目で頷《うなず》く。
二十四
「洋燈《ランプ》の火でさえ、大概|度胆《どぎも》を抜かれたのが、頼みに思った豪傑は負傷するし、今の話でまた変な気になる時分が、夜も深々と更けたでしょう。
どんな事で、どこから抛《ほう》り投げまいものでもない。何か、対手《あいて》の方も斟酌《しんしゃく》をするか、それとも誰も殺すほどの罪もないか、命に別条はまず無かろうが、怪我は今までにも随分ある。
さあ、捜
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