ります。
あんまりお心が可傷《いじら》しい、さまでに思召すその毬唄は、その内時節が参りますと、自然にお耳へ入りましょう!
それは今、私がこの邸を退《の》きますと、もう隅々まで家中が明《あかる》くなる。明さんも思い直して、またここを出て旅行《たび》立ちをなさいます。
早や今でも沙汰《さた》をする、この邸の不思議な事が、界隈《かいわい》へ拡がりますと、――近い処の、別荘にあの、お一方……」
四十四
「病《やまい》の後の保養に来ておいでなさいます、それはそれは美しい、余所《よそ》の婦人《おんな》が、気軽な腰元の勧めるまま、徒然《つれづれ》の慰みに、あの宰八を内証で呼んで、(鶴谷の邸の妖怪変化は、皆《みんな》私が手伝いの人と一所に、憂晴《うさは》らしにしたいたずら遊戯《あそび》、聞けば、怪我人も沢山《たんと》出来、嘉吉とやら気が違ったのもあるそうな、つい心ない、気の毒な、皆《みんな》の手当をよくするように。)……
と白銀黄金《しろがねこがね》を沢山《たんと》授ける。
さあ、この事が世に聞えて、ぱっと風説《うわさ》の立《たち》ますため、病人は心が引立《ひった》ち、気の
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