あかり》に、まさしくそれと認めが着くと、同一《おなじ》疑《うたがい》の中《うち》にもいくらか与易《くみしやす》く思った処へ、明が行燈《あんどう》を提げて来たので、ますます力づいた宰八は、二人の指図に、思切って庭へ出たが、もうそれまでに漕《こ》ぎ着ければ、露に濡れる分は厭《いと》わぬ親仁。
 さやさやと葎《むぐら》を分けて、おじいどうした、と摺寄《すりよ》ると、ああ、宰八か助けてくれ。この手を引張《ひっぱ》って、と拝むがごとく指出した。左の腕《かいな》を、ぐい、と掴《つか》んで、獣《けもの》にしては毛が少ねえ、おおおお正真《しょうじん》正銘の仁右衛門だ、よく化けた、とまだそんな事を云いながら、肩にかけて引立《ひった》てると、飛石から離れるのが泥田《どろだ》を踏むような足取りで、せいせい呼吸《いき》を切って、しがみつくので、咽喉《のど》がしまる、と呟《つぶや》きながら、宰八も疾《はや》く埒《らち》を明けたさに、委細構わずずるずる引摺《ひきず》って縁側に来る間に、明はもう一枚、雨戸を開けて待構えて、気分はどう?まあ、こちらへ、と手伝って引入れた、仁右衛門の右の手は、竹槍《たけやり》を握ってい
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