あかはちまき》をかなぐって、
「こりゃ、はい、御坊様御免なせえまし。御本家からも宜《よろ》しくでござりやす。いずれ喜十郎様お目に懸《かか》りますだが、まず緩《ゆっく》りと休まっしゃりましとよ。
私《わし》こういうぞんざいもんだで、お辞儀の仕様もねえ。婆様がよッくハイ御挨拶しろと云うてね、お前様|旨《うま》がらしっけえ、団子をことづけて寄越《よこ》しやした。茶受《ちゃうけ》にさっしゃりやし。あとで私が蚊いぶしを才覚しながら、ぶつぶつ渋茶を煮立てますべい。
それよりか、お前様、腹アすかっしゃったろうと思うで、御本家からまた重詰めにして寄越さしった、そいつをぶら下げながら苦虫が、右のお前様、キャアでけつかる。
門外の草原を、まるで川の瀬さ渡るように、三人がふらふらよちよち、モノ小半時かかったが、芸もねえ、えら遅くなって済まんしねえ。」
「何とも御苦労、」
と僧は慇懃《いんぎん》に頭《つむり》をさげる。
「その人たちは、どうしたのかね。」
と明が尋ねた。
「はい、それさ、そのキャアだから、お前様、どうした仁右衛門と、云うと、苦虫が、面《つら》さ渋くして、(ああ、厭《いや》なものを見た
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