ふ》るから、
(じゃ、小父《おじ》さんのだ。)と言うと、男が毬を、という調子に、
(わはは)と笑って、それなりに、ちらちらとどこかへ取って行ったんでした。」――

       三十三

「何、私《わし》がうわさしていさっせえた処だって……はあ、お前様《めえさま》二人でかね。」
 どッこいしょ、と立ったまま、広縁が高いから、背負《しょ》って来た風呂敷包は、腰ぎりにちょうど乗る。
「だら、可《い》いけんども、」
 と結目《むすびめ》を解下《ときお》ろして、
「天井裏でうわさべいされちゃ堪《たま》んねえだ。」
 と声を密《ひそ》めたが、宰八は直ぐ高調子、
「いんね、私《わし》一人じゃござりましねえ。喜十郎様が許《とこ》の仁右衛門の苦虫《にがむし》と、学校の先生ちゅが、同士にはい、門前《もんまえ》まで来っけえがの。
 あの、樹の下の、暗え中へ頭|突込《つッこ》んだと思わっせえまし、お前様、苦虫の親仁《おやじ》が年効《としがい》もねえ、新造子《しんぞっこ》が抱着かれたように、キャアと云うだ。」
「どうしたんです。」
「何かまた、」
 と、僧も夜具包の上から伸上って顔を出した。
 宰八|紅顱巻《
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