れど、誰も友達を、自分の内へ連れて行った事はありませんでした。
 寄合って、遊事《あそびごと》を。これからおもしろくなろうという時、不意に母《おっか》さんがお呼びだ、とその媼さんが出て来て引張《ひっぱ》って帰ることが度々で、急に居なくなる、跡の寂しさと云ったらありません。――先《せん》の内は、自分でもいやいや引立《ひった》てられるようにして帰り帰りしたものですが、一ツは人の許《とこ》へ自分は来て、我が家《うち》へ誰も呼ばない、という遠慮か、妙な時ふと立っちゃ、独《ひとり》で帰ってしまうことがいくらもあったんです。
 ですから何だかその娘ばかりは、思うように遊べない、勝手に誘われない、自由にはならない処から、遠いが花の香とか云います。余計に私なんざ懐《なつかし》くって、(菖《あや》ちゃんお遊びな)が言えないから、合図の石をかちかち叩いては、その家の前を通ったもんでした。
 それが一晩《あるばん》、真夜中に、十畳の座敷を閉め切ったままで、どこかへ姿をかくしたそうで。
 丑《うし》年の事だから、と私が唄を聞きたさに、尋ねた時分……今から何年前だろう、と叔母が指を折りましたっけ……多年《しばら
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