なみ》のごとき杉の木目の式台に立向い、かく誓って合掌して、やがて笠を脱いで一揖《いちゆう》したのであった。――
「それから、婆さんに聞きました通り、壊れ壊れの竹垣について手探りに木戸を押しますと、直ぐに開《あ》きましたから、頻《しきり》に前刻《さっき》の、あの、えへん!えへん!咳《せきばらい》をしながら――酷《ひど》くなっておりますな――芝生を伝わって、夥《おびただ》しい白粉《おしろい》の花の中を、これへ。お縁側からお邪魔をしたしました。
あの白粉の花は見事です。ちらちら紅《べに》色のが交って、咲いていますが、それにさえ、貴方《あなた》、法衣《ころも》の袖の障《さわ》るのは、と身体《からだ》をすぼめて来ましたが、今も移香《うつりが》がして、憚《はばかり》多い。
もと花畑であったのが荒れましたろうか。中に一本、見上げるような丈のびた山百合の白いのが、うつむいて咲いていました。いや、それにもまた慄然《ぞっ》としたほどでございますから。
何事がございましょうとも、自力を頼んで、どうのこうの、と申すようなことは夢にも考えておりません。
しかし貴下《あなた》は、唯今うけたまわりましたよう
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