に光るようで。
 変に跨《また》ぎ心地が悪うございますから、避《よ》けて通ろうといたしますと、右の薄光りの影の先を、ころころと何か転げる、たちまち顔が露《あらわ》れたようでございましたっけ、熟《よ》く見ると、兎《うさぎ》なんで。
 ところでその蛇のような光る影も、向《むき》かわって、また私《わたくし》の出途《でさき》へ映りましたが、兎はくるくると寝転びながら、草の上を見附けの式台の方へ参る。
 これが反対《あべこべ》だと、旧《もと》の潜門《くぐりもん》へ押出されます処でございました。強いて入りますほどの度胸はないので。
 式台前で、私はまず挨拶《あいさつ》をいたしたでございます。
 主《ぬし》もおわさば聞《きこ》し召せ、かくの通りの青道心。何を頼みに得脱成仏《とくだつじょうぶつ》の回向《えこう》いたそう。何を力に、退散の呪詛《じゅそ》を申そう。御姿《おんすがた》を見せたまわば偏《ひとえ》に礼拝を仕《つかまつ》る。世にかくれます神ならば、念仏の外他言はいたさぬ。平に一夜、御住居《おすまい》の筵《むしろ》一枚を貸したまわれ……」
 ――旅僧はその時、南無仏《なむぶつ》と唱えながら、漣《ささ
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