う堆《うずたか》い、鼠の塚か、と思う煤《すす》のかたまりも見えれば、遥《はるか》に屋根裏へ組上げた、柱の形も見える。
 可訝《おかし》いな、屋根裏が見えるくらいじゃ、天井の板がどこか外れた筈《はず》だが、とふと気がつくと、桟が弛《ゆる》んでさえおりますまい。
 板を抜けたものか知らん、余り変だ、と貴僧《あなた》。
 ここで心が定まりますと、何の事もない。行燈《あんどう》は蚊帳の外の、宵から置いた処にちゃんとあって、薄ぼんやり紙が白けたのは、もう雨戸の外が明方であったんです。」
「その晩は、お一人で、」
「一人です、しかも一昨晩。」
「一昨晩?」
 と、思わずまたぎょっとする。
「で、何でございますか、その夜伽連《よとぎれん》は、もうそれ以来懲りて来なくなったんでございますかな。」
「お待ち下さい、トあの、西瓜《すいか》で騒いだ夜は、たしかその後でしたっけ。
 何、こりゃ詰《つま》らない事ですけれども、弱ったには弱りましたよ。……
 確か三人づれで、若い衆《しゅ》が見えました。やっぱり酒を御持参で。大分お支度があったと見えて、するめの足を噛《かじ》りながら、冷酒《ひやざけ》を茶碗で煽《あ
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