たちい》に、一番気がかりなのは洋燈《ランプ》ですから、宰八爺さんにそう云って、こうやって行燈《あんどう》に取替えました。」
「で、行燈は何事も、」
「これだって上《あが》ります。」
「あの上りますか。宙へ?」
時に、明の、行燈のその皿あたりへ、仕切って、うつむけに伏せた手が白かった。
「すう、とこう、畳を離れて、」
「ははあ、」
とばかり、僧は明の手のかげで、燈《ともしび》が暗くなりはしないか、と危《あやぶ》んだ目色《めつき》である。
「それも手をかけて、圧《おさ》えたり、据えようとしますと、そのはずみに、油をこぼしたり、台ごとひっくりかえしたりします。障《さわ》らないで、熟《じっ》と柔順《おとなし》くしてさえいれば、元の通りに据直《すわりなお》って、夜《よ》が明けます。一度なんざ行燈が天井へ附着《くッつ》きました。」
「天……井へ、」
「下に蚊帳が釣ってありますから、私も存じながら、寝ていたのを慌てて起上って、蚊帳越にふらふら釣り下った、行燈の台を押えようと、うっかり手をかけると、誰か取って引上げるように鴨居《かもい》を越して天井裏へするりと入ると、裏へちゃんと乗っかりました。も
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