しゆ》に於《おい》ては、予《かね》て貴女《あなた》と双六《すごろく》を打《う》つて慰《なぐさ》みたいが、御承知《ごしようち》なければ、致《いたし》やうも無《な》かつた折《をり》から……丁《ちやう》ど僥倖《さいはひ》、いや固《もと》より、固《もと》より望《のぞ》み申《まを》す処《ところ》……とある!」

         四十四

 美女《たをやめ》は世《よ》にも嬉《うれ》しげに……早《は》や頼《たの》まれて人《ひと》を救《すく》ふ、善根《ぜんこん》功徳《くどく》を仕遂《しと》げた如《ごと》く微笑《ほゝゑ》みながら、左右《さいう》に、雪枝《ゆきえ》と老爺《ぢい》とを艶麗《あでやか》に見《み》て、清《すゞ》しい瞳《ひとみ》を目配《めくば》せした。
「そんなら、私《わたし》が勝《か》ちましたら、奥様《おくさま》をお返《かへ》しなさいますね。」
「御念《ごねん》に及《およ》ばぬ、城《じやう》ヶ|沼《ぬま》の底《そこ》に湧《わ》く……霊泉《れいせん》に浴《ゆあみ》させて、傷《きづ》もなく疲労《つかれ》もなく苦悩《くなう》もなく、健《すこや》かにしてお返《かへ》し申《まを》す。」
 美女《たをやめ
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