》ふなら、自分《じぶん》に其《それ》を女房《にようぼう》のかはりにして、断念《あきら》めるが分別《ふんべつ》の為処《しどころ》だ。見事《みごと》だ、美《うつくし》いと敵手《あひて》を強《し》ゆるは、其方《そつち》の無理《むり》ぢや、分《わか》つたか。』
と衝《つ》と指《ゆび》を上《あ》げて雲《くも》を指《さ》した。
『天守《てんしゆ》の主人《あるじ》の言托《ことづけ》は此《こ》の通《とほ》り。更《あらた》めて其《そ》の印《しるし》を見《み》せう、……前刻《さきに》も申《まを》した、鮫膚《さめはだ》の縮毛《ちゞれけ》の、醜《みにく》い汚《きたな》い、木像《もくざう》を、仔細《しさい》ありげに装《よそほ》ふた、心根《こゝろね》のほどの苦々《にが/\》しさに、へし折《を》つて捻切《ねぢき》つた、女《をんな》の片腕《かたうで》、今《いま》返《かへ》すわ、受取《うけと》れ。』
と法衣《ころも》の破目《やぶれめ》を潜《くゞ》らす如《ごと》く、懐《ふところ》から抜《ぬ》いて、ポーンと投出《なげだ》す。
途端《とたん》に又《また》指《ゆび》を立《た》てつゝ、足《あし》を一巾《ひとはゞ》、坊主《ばうず
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