を与《あた》へたと言《い》ふでは無《な》いか。
 既《すで》に目指《めざ》す美女《びぢよ》を囚《とら》へて、思《おも》ふがまゝに勝矜《かちほこ》つた対手《あひて》に向《むか》ふて、要《い》らぬ償《つくな》ひの詮議《せんぎ》は留《や》めろ。
 何《ど》うぢや、それとも、御身達《おみたち》に、煙草《たばこ》の吸殻《すゐがら》を太陽《たいやう》の炎《ほのほ》に変《か》へ、悪魔《あくま》の煩脳《ぼんなう》を焼亡《やきほろ》ぼいて美女《びぢよ》を助《たす》ける工夫《くふう》があるか、すりや格別《かくべつ》ぢや。よもあるまい。有《あ》るか、無《な》からう。……
 それ、徒労力《むだぼね》と言《い》ふ事《こと》よ! 要《えう》もない仕事三昧《しごとざんまい》打棄《うつちや》つて、少《わか》い人《ひと》は妻《つま》を思切《おもひき》つて立帰《たちかへ》れえ。老爺《おやぢ》も要《い》らぬ尻押《しりおし》せず、柔順《すなほ》に妻《つま》を捧《さゝ》げるやうに、少《わか》いものを説得《せつとく》せい。
 勝手《かつて》に木像《もくざう》を刻《きざ》まば刻《きざ》め、天晴《あつぱ》れ出来《でか》したと思《おも
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