活《い》けて視《なが》めうと思《おも》ふ花《はな》を、苞《つと》のまゝ室《へや》に寝《ね》かせて置《お》いて、待搆《まちかま》へた償《つくな》ひの彼《かれ》は何《なん》ぢや! 聾《つんぼ》の、唖《をうし》の、明盲人《あきめくら》の、鮫膚《さめはだ》で腰《こし》の立《た》たぬ、針線《はりがね》のやうな縮毛《ちゞれつけ》、人膚《ひとはだ》の留木《とめき》の薫《かをり》の代《かは》りに、屋根板《やねいた》の臭《にほひ》の芬《ぷん》とする、いぢかり股《また》の、腕脛《うですね》の節《ふし》くれ立《た》つた木像女《もくざうをんな》が何《なに》に成《な》る! ……悪《わる》く拳《こぶし》に采《さい》を持《も》たせて、不可思議《ふかしぎ》めいた、神通《じんつう》めいた、何《なに》となく天地《あめつち》の、言《い》ふに言《い》はれぬ心《こゝろ》を籠《こ》めたらしい所業《しわざ》が可笑《をか》しい。笑止千万《せうしせんばん》な大白痴《おほたはけ》!』
『ヌ、』とばかりで、下唇《したくちびる》をぴりゝと噛《か》んで、思《おも》はず掴懸《つかみかゝ》らうとすると、鷹揚《おうやう》に破法衣《やぶれごろも》の袖
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