》したのぢや。理《り》も非《ひ》もない、業《ごふ》の力《ちから》で掴取《つかみと》つて、閨《ねや》近《ちか》く幽閉《おしこ》めた。従類《じうるゐ》眷属《けんぞく》寄《よ》りたかつて、上《あ》げつ下《お》ろしつ為《し》て責《せ》め苛《さいな》む、笞《しもと》の呵責《かしやく》は魔界《まかい》の清涼剤《きつけ》ぢや、静《しづか》に差置《さしお》けば人間《にんげん》は気病《きやみ》で死《し》ぬとな……
言《い》ふまでもない肉《にく》を屠《ほふ》つて其《そ》の血《ち》を啜《すゝ》るに仔細《しさい》はないが、夫《をつと》は香村雪枝《かむらゆきえ》とか。天晴《あつぱ》れ一芸《いちげい》のある効《かひ》に、其《そ》の術《わざ》を以《もつ》て妻《つま》を償《あがな》へ! 魔神《まじん》を慰《なぐさ》め楽《たの》しますものゝ、美女《びじよ》に代《か》へて然《しか》るべきなら立処《たちどころ》に返《かへ》し得《え》さする。――
可《い》いかな、此《こ》の心《こゝろ》は早《は》や御身《おみ》が内儀《ないぎ》に、私《わし》が頼《たの》まれて、御身《おみ》に伝《つた》へた。』
四十
『
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