くかう》な折《をり》から、少《わか》いものを煽《あふ》り立《た》つて、身代《みがは》りに働《はたら》かせやう気《き》かも計《はか》られぬ。』
『これ、これ、御坊《ごばう》、御坊《ごばう》、』と言《い》つて締《しま》つた口《くち》を尖《とが》らかす。
相対《あひたひ》する坊主《ばうず》の口《くち》は、三日月形《みかづきなり》に上《うへ》へ大《おほ》きい、小鼻《こばな》の条《すぢ》を深《ふか》く莞《にや》つて、
『いや、暗《やみ》の夜《よ》を忘《わす》れまい。沼《ぬま》の中《なか》へ当《あて》の無《な》い経《きやう》読《よ》ませて、斎非時《ときひじ》にとて及《およ》ばぬが、渋茶《しぶちや》一《ひと》つ振舞《ふるま》はず、既《すん》での事《こと》に私《わし》は生涯《しやうがい》坊主《ばうず》の水車《みづぐるま》に成《な》らうとした。』
『む、まづ出家《しゆつけ》の役《やく》ぢや……断念《あきら》めさつしやい。然《さ》う又《また》一慨《いちがい》に説法《せつぽふ》されては、一言《いちごん》もねえ事《こと》よ。……けんども、やきもきと精出《せいだ》いて人《ひと》の色恋《いろこひ》で気《き》を揉
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