《こし》持《も》つて、へい、お迎《むかへ》、と下座《げざ》するのを作《つく》らつせえ。えゝ! と元気《げんき》を出《だ》さつしやりまし。」
「其処《そこ》です、老爺《おぢい》さん、」
と雪枝《ゆきえ》は草《くさ》を掴《つか》んで起直《おきなほ》つて、
「現在《げんざい》、其《そ》の苦《くる》しみを為《し》て居《ゐ》るお浦《うら》を救《すく》はんために製作《こしら》へたんです。有《あり》つたけの元気《げんき》も出《だ》した、力《ちから》も尽《つく》した。最《も》う為《し》やうがない。しかし此処《こゝ》で貴老《あなた》に逢《あ》つたのは天《てん》の引合《ひきあ》はせだらうと思《おも》ふ。
 いや、其《それ》よりも此《こ》の土地《とち》へ来《き》て、夢《ゆめ》とも現《うつゝ》とも分《わか》らない種々《いろ/\》の事《こと》のあるのは、別《べつ》ではない、婦《をんな》のために、仕事《しごと》を忘《わす》れた眠《ねむり》を覚《さま》して、謹《つゝし》んで貴老《あなた》に教《をしへ》を受《う》けさせやうとする、芸《げい》の神《かみ》の計《はか》らひであらうも知《し》れない。私《わたし》は跪《ひざま
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