から》ひ、疾《と》く水車《みづぐるま》の如《ごと》くに廻転《くわいてん》して、水《みづ》は宛然《さながら》其《そ》の破《やぶ》れ目《め》を走《はし》り抜《ぬ》けて、斜《なゝ》めに黄色《きいろ》な雪《ゆき》が散《ち》つた。や、何《ど》うも案山子《かゝし》の飛《と》ぶこと、ひよろつく事《こと》!
 此《これ》を見《み》よ、人々《ひと/″\》。――
 で、月《つき》が三《み》ツ四《よ》ツ出《で》て路《みち》を照《て》らすのも、案山子《かゝし》が飛《と》ぶのも、傘《からかさ》の車《くるま》も、其《そ》の車《くるま》に、と反身《そりみ》で、斜《しや》に構《かま》へて乗《の》つた像《ざう》の活《い》けるが如《ごと》きも、一切《すべて》自分《じぶん》の神通力《じんつうりき》の如《ごと》くに感《かん》じて、寝静《ねしづ》まつた宿屋《やどや》の方《はう》へ拳《こぶし》を突出《つきだ》して呵々《から/\》と笑《わら》つた。
『此《これ》を見《み》よ、人々《ひと/″\》。』
 其時《そのとき》車《くるま》を真中《まんなか》に、案山子《かゝし》の列《れつ》は橋《はし》にかゝつた。……瀬《せ》の音《おと》を横切
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