く》、何処《どつけ》え行《く》!』
 で、がさりと枝《えだ》を踏《ふ》んだ音《おと》がした。何《ど》うやらものゝ、嘴《くちばし》を長《なが》く畷《なはて》を瞰下《みお》ろす気勢《けはひ》がした。
『ほこらだ。』
『ほこら、』
『ほこらへ行《い》くだ。』
とひよつこり、ひよこり、ひよつこりと歩行《ある》き出《だ》す……案山子《かゝし》どもの出向《でむ》くのが、祠《ほこら》の方《はう》へ、雪枝《ゆきえ》の来《き》た路《みち》の方角《はうがく》に当《あた》る。向《むか》ふを指《さ》して城《じやう》ヶ|沼《ぬま》へ身投《みな》げに行《ゆ》くのでは無《な》いらしい。
 待《ま》て、よくは分《わか》らぬ、其処等《そこら》と言《い》ふか、祠《ほこら》と言《い》ふか、声《こゑ》を伝《つた》へる生暖《なまぬる》い夜風《よかぜ》もサテぼやけたが、……帰《かへ》り路《みち》なれば引返《ひきかへ》して、うか/\と漫歩行《そゞろある》きの踵《きびす》を返《かへ》す。
『く、く、く、』
『ふ、ふ、』
『は、は、は、』と形《かたち》も定《さだ》めず、むや/\の海鼠《なまこ》のやうな影法師《かげぼふし》が、案山子《か
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