《そ》の斧《をの》を揮《ふる》つた時《とき》、さく/\さゝらに成《な》り行《ゆ》く像《ざう》は、骨《ほね》を裂《さ》く音《おと》がして、物凄《ものすご》く飛騨山《ひだやま》の谺《こだま》に響《ひゞ》いた。
其《そ》の夜更《よふ》けから、しばらく正躰《しやうたい》を失《うしな》つたが、時《とき》も知《し》らず我《われ》に返《かへ》ると、忽《たちま》ち第三番目《だいさんばんめ》を作《つく》りはじめた、……時《とき》に祠《ほこら》の前《まへ》の鳥居《とりゐ》は倒《たふ》れて、朽《く》ちたる縄《なは》は、ほろ/\と断《き》れて跡《あと》もなく成《な》る。……
と今度《こんど》のは完成《くわんせい》した。而《そ》して本堂《ほんだう》の正面《しやうめん》に、支《さゝえ》も置《お》かず、内端《うちは》に組《く》んだ、肉《にく》づきのしまつた、膝《ひざ》脛《はぎ》の釣合《つりあひ》よく、すつくりと立《た》つた時《とき》、木《き》の膚《はだえ》は小刀《こがたな》の冴《さえ》に、恰《あたか》も霜《しも》の如《ごと》く白《しろ》く見《み》えた。……が扉《とびら》を開《ひら》いて、伝説《でんせつ》なき縁起
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