ばま》つて両方《りやうはう》へ刎《は》ねた処《ところ》が、宛然《さながら》の翼《つばさ》。
『権七《ごんしち》ぢやない! 小天狗《こてんぐ》が、天守《てんしゆ》から見張《みは》りに来《き》たな。』
思《おも》はず突立《つゝた》つと、出来《でき》かゝつた像《ざう》を覗《のぞ》いて、角《つの》を扁平《ひらた》くしたやうな小鼻《こばな》を、ひいくひいく、……ふツふツはツはツと息《いき》を吹《ふ》いて居《ゐ》たのが、尖《とが》つた口《くち》を仰様《のけざま》に一《ひと》つぶるツと振《ふる》ふと、面《めん》を倒《さかさま》にしたと思《おも》へ。
彫像《てうざう》の眼球《がんきう》をグサリと刺《さ》した。
はつと思《おも》へば、烏《からす》ほどの真黒《まつくろ》な鳥《とり》が一羽《いちは》虫蝕《むしくひ》だらけの格天井《がうでんじやう》を颯《さつ》と掠《かす》めて狐格子《きつねがうし》をばさりと飛出《とびだ》す……
目《め》一《ひと》つ抉《えぐ》られては半身《はんしん》をけづり去《さ》られたも同《おな》じ事《こと》、是《これ》がために、第一《だいいち》の作《さく》は不用《ふよう》に帰《き》
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