じめて解《と》き去《さ》らるゝのを目《め》の前《まへ》に見《み》るやうだから。』
親類《しんるゐ》の一人《いちにん》、インバネスを着《き》た男《をとこ》が真前《まつさき》に立《た》つて、皆《みな》ぞろ/\と帰《かへ》つた。……其《そ》の影《かげ》が潜《くゞ》つて出《で》る、祠《ほこら》の前《まへ》の、倒《たふ》れかゝつた木《き》の鳥居《とりゐ》に張《は》つた、何時《いつ》の時《とき》のか、注連縄《しめなは》の残《のこ》つたのが、二《ふた》ツ三《み》ツのたくつて、づらりと懸《かゝ》つた蛇《へび》に見《み》えた……
二十九
はて、面白《おもしろ》い。あれが天井《てんじやう》を伝《つた》ふ朽縄《くちなは》なら、其《そ》の下《した》に、しよんぼりと立《た》つた柱《はしら》は、直《す》ぐにお浦《うら》の姿《すがた》に成《な》る……取《と》つて像《ざう》を刻《きざ》む材料《ざいりやう》に遣《つか》うと為《し》やう。鋸《のこぎり》で挽《ひ》いて、女《をんな》の立像《りつざう》だけ抜《ぬ》いて取《と》る、と鳥居《とりゐ》は、片仮名《かたかな》のヰの字《じ》に成《な》つて、祠《
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