《かたわき》に引込《ひつこ》んだ、森《もり》の中《なか》の、とある祠《ほこら》へ、送込《おくりこ》んだ……と言《い》ふよりは、づか/\踏込《ふみこ》んだ。後《あと》に踵《つ》いて来《き》て、渠等《かれら》は狐格子《きつねがうし》の外《そと》で留《と》まつたのである。
提灯《ちやうちん》を一個《ひとつ》引奪《ふんだく》つて、三段《さんだん》ばかりある階《きざはし》の正面《しやうめん》へ突立《つゝた》つて、一揆《いつき》を制《せい》するが如《ごと》く、大手《おほて》を拡《ひろ》げて、
『さあ、皆《みんな》帰《かへ》れ。而《そ》して誰《たれ》か宿屋《やどや》へ行《い》つて、私《わたし》の大鞄《おほかばん》を脊負《しよ》つて来《き》て貰《もら》はう。――中《なか》にすべて仕事《しごと》に必要《ひつえう》な道具《だうぐ》がある。……私《わたし》は最《も》う、あの座敷《ざしき》へ入《はい》つて、脱《ぬ》いである衣服《きもの》、解《と》いてある紅《あか》い扱帯《しごき》を見《み》るに忍《しの》びん。……彼《かれ》が魔物《まもの》の手《て》に懸《かゝ》つて、身悶《みもだ》へしながら、帯《おび》からは
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