さい》を包《つゝ》んで、作《さく》の神秘《しんぴ》を胸《むね》に籠《こ》めやう。言《い》ふまでも無《な》く、其《そ》の面影《おもかげ》、其《そ》の姿《すがた》は、古城《こじやう》の天守《てんしゆ》の囚《とりこ》と成《な》つた、最惜《いとをし》い妻《つま》を其《そ》のまゝ、と豁然《くわつぜん》として悟《さと》ると同時《どうじ》に、腕《うで》には斧《をの》を取《と》る力《ちから》が籠《こも》つて、指《ゆび》と指《ゆび》とは鑿《のみ》を持《も》たうとして自然《ひとり》で動《うご》く――時《とき》なる哉《かな》、作《さく》の頭《こうべ》に飾《かざ》るが如《ごと》く、雲《くも》を破《やぶ》つて、晃々《きら/\》と星《ほし》が映《うつ》つた。
 星《ほし》の下《した》を飛《と》んで帰《かへ》つて、温泉《いでゆ》の宿《やど》で、早《は》や準備《じゆんび》を、と足《あし》が浮《う》く、と最《も》う遠《とほ》く離《はな》れた谿河《たにがは》の流《ながれ》が、砥石《といし》を洗《あら》ふ響《ひゞき》を伝《つた》へる。

         二十六

 然《さ》うすると、心《こゝろ》に刻《きざ》んで、想像《さ
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